2024年前期朝ドラ「虎に翼」第8週「女冥利に尽きる?」のあらすじ(ネタバレ)と感想をお届けします。
時代は昭和17年(1942年)から昭和18年(1943年)。
寅子と優三との夫婦生活は微妙でしたが、ある日、ある事がきっかけで寅子は優三の優しさに触れました。
そして、寅子は優三に恋をし子供が授かりました。しかし、戦争は激しさを増し、優三にも赤紙が届くのです。
優三も出征することになります。
ところで、伊藤沙莉さんが演じる猪爪寅子をもう一度観たい!尾野真千子さんの語りをもう一度聴きたい、と思いませんか?
そんな朝ドラファンは「NHKオンデマンド」です。「NHKオンデマンド」の選び方は2通りあります。
U-NEXTの「NHKオンデマンド」
詳しくは⇒朝ドラは無料期間中に「U-NEXT」のNHKオンデマンドで。
アマゾンの「NHKオンデマンド」
詳しくは⇒“朝ドラ”ファンにはアマゾン(amazon)プライムが”おすすめ”。
どちらも無料期間中に視聴し納得したら登録しましょう。
「虎に翼」第8週「女冥利に尽きる?」のあらすじ。
ドラマに登場する甘味処「竹もと」のモデルになっている神田「竹むら」。戦況悪化のため閉店になってしまいましたね。
寅子が最後のお客さんなのかなと思いきや奥の部屋には最後の団子を口にしていた桂場裁判官がいました。
竹むらの場所。
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1丁目19
電話:03-3251-2328
週タイトルの意味。
週タイトルの「女冥利に尽きる?」とは、
「女冥利に尽きる」は「女に生まれた甲斐があること」「女に生まれたことの幸せ」を意味する「女冥利」に「尽きる」を組み合わせた言葉です。
と言う意味ですが、さて、この意味する女性は誰なんでしょう?やっぱり寅子ですか。
第8週のあらすじ。
寅子は、弁護士への道を閉ざされた仲間や、女性ゆえに弁護士を辞めてゆく先輩を見て、女性弁護士の未来を背負い激務にまい進します。
ある日、寅子は自分が担当した裁判に勝訴しますが、依頼人の女性が嘘をついていたことが後からわかるのです。
寅子は当然落ち込みます。その話を聞いた優三は常に正しくあろうとする寅子に言います。
「トラちゃんもずーと正しい人のまんまじゃ疲れるから、せめて僕の前では肩の力を降ろしてさ」と。
優三の優しさに触れる寅子。改めて優三の素晴らしさ、優しさに気づくシーンです。しかし…
優三の優しさと支えがあっての仕事だということを忘れてしまい、職場にも妊娠を隠し続けて、ついに倒れてしまう寅子。
そんな寅子を見かねた恩師の穂高の説得で、仕事より出産を優先し、無事第一子を産みます。
そして家族で戦争を乗り切ろうと決意した矢先に、今度は優三に召集令状が届きました。辛い戦中時代が描かれる8週「女冥利に尽きる」です。
モデル(実存) | 寅に翼の設定 | 寅に翼のキャスト |
三淵嘉子 | 猪爪寅子 | 伊藤沙里(役:猪爪寅子) |
寅子の母・「はる」 | 石田ゆり子(役:はる) | |
寅子の父・猪爪直言 | 岡部たかし(役:寅子の父・猪爪直言) | |
語り(ナレーター) | 尾野真千子 | |
主題歌 | 米津玄師「さよーならまたいつか!」 |
伊藤沙里が演じる猪爪寅子のモデルは三淵嘉子さん。
⇒虎に翼のヒロイン「猪爪寅子」のモデルは戦後初の女性弁護士・裁判官「三淵嘉子」
「虎に翼」第8週「女冥利に尽きる?」のネタバレ。
週タイトル | 女冥利に尽きる? |
放送日 | 2024年5月20日(月)~24日(金) |
放送 | 午前8時~8時15分 |
再放送 | 午後0時45分~1時 |
第36話:5月20日(月)寅子の失態。
ラジオの放送からは日本が戦争に突き進む威勢の良い話が続いています。“はる”は毎日の日記を書きしるし、花江の子供たちはチャンバラごっごで部屋中を駆け回っていました。
そこへ花江が帰ってきました。
寅子と優三さんは結婚の報告へ。
寅子の恩師である穂高教授にはまだ結婚の報告をしていませんでした。寅子は優三と共にレストランで穂高先生と会っています。
穂高先生は優三とは初対面だったのかな?あまりよく知らないようでした。寅子の名字が猪爪から佐田になったこともうる覚えでしたからね。
でも穂高先生も寅子が優三と結婚したことで全てが順風満帆ではないか!とおっしゃっていましたよね。
弁護の依頼その1。
さて、優三との結婚で寅子は弁護の依頼も来るようになり順調な日々を送っていました。そして36話では2件の依頼が描かれました。
手伝いとして働くよねと共に依頼人と向き合います。
一人は外で借金ばかり作ってくる夫と離婚したいという女性です。当時、女性側から離婚を成立させるのは至難の技でした。
三男を連れて家を出た梅子と重なった寅子は弁護を引き受けますが、後日、「主人に赤紙が届いた」とその女性は依頼を取り下げました。
弁護の依頼その2。
もう一人は、子の親権を義父と争う女性の依頼を引き受けます。依頼人は両国満智という女性です。彼女は夫に先立たれ、しかも亡き夫の子を妊娠中です。
金策に困り果てて夫の友人を頼ります。しかし、「著しき不行跡」として義理の両親から訴えられました。
彼女の味方として張り切る寅子です。寅子と優三の新婚生活は微妙なままの夜に、寅子はその状況を優三に説明します。
そして、なぜ女だけがこんな苦しめをうけるのか!と嘆きます。でも、そんな寅子を見ていて優三はたぶん心配だったと思います。
⇒仲野太賀(キャスト)が2024年前期の朝ドラ「虎に翼」で演じる“佐田優三”とは。
その心配は後日的中するのですが、その時、寅子は気づいていません。寅子は正義の罠にはまっているのです。
裁判で勝訴。
裁判は勝訴しましたが、しかし、なんか納得できない寅子は資料を読み返し、依頼人の女性と夫の結婚生活に疑問が生じました。
そして、依頼人の女性がうそをついていたのが分かるのです。女性の子供は長男も夫の子供ではなかったのです。
なんと、満智の子どもは亡き夫の子ではなく、不貞を疑われていた男性(夫の友人)との子だったのです。
両国満智は寅子に向かって「女が生きていくためには悪知恵が必要だってこと」と言い残し事務所を去っていきました。
(親権を得るためにしたたかに生きる女性を描いていました。)
寅子はショックでした。その女性のうそを見抜けなかったことは寅子の失態でした。
この事実がわかり、雲野先生からも一人の人生を狂わせてしまったかも知れないとの注意を受けるのです。
寅子は深々と雲野に頭をさげます。そして、落ち込みます。
第37話:5月21日(火)
落ち込む寅子を見て、母のはるは寅子に直言の会社に届け物を持たせます。会社には優三もいました。
優三の優しさ。
直言の工場は軍からの注文が途切れず、順調に稼働を続けていました。
戦時下で食べ物が貴重になる中、優三は一緒においしいものを食べて寅子を元気づけようとしています。
優三は農家から二つだけ貰ったおいしそうな食べ物を分け合います。そして、優三は言葉をかけました。
「トラちゃんもずーと正しい人のまんまじゃ疲れるから、せめて僕の前では肩の力を降ろしてさ」と優しくいうのです。
寅子はこの人と結婚して良かったと思う瞬間です。そして…
その夜。
その夜、寅子は優三に「どんな弁護士になりたかったか」とたずねます。すると…「法律の本を出すことが夢だった」と語る優三。
この夜は仲むつまじく語り合う寅子と優三です。寅子が結婚後に恋に落ちる瞬間でした。やがて、猪爪家にうれしい知らせが舞い込みます。
寅子は妊娠しました。
寅子も嬉しかったけど、毎日体がだるくてしかたがありません。そんなある日、家庭と仕事の両立に疲れ果てた久保田が弁護士を辞めると言うのです。
⇒小林涼子(キャスト)が2024年前期朝ドラ「虎に翼」で演じる「久保田聡子」とは。
寅子は弁護の仕事の他に、久保田が担当していた婦人雑誌の法律相談の連載を引き受けることになりました。
第38話:5月22日(水)。直道の出征。
アバンから涙、涙、涙…
花江の手元には何やら一枚の通知らしきものを持っています。もしかしたら召集令状(赤紙)かも知れません。
花江の悲し気な顔のアップ。その瞬間から涙が止まりません。
猪爪直道に召集令状が届き、直道の出征が決まりました。はるは直道のためにできる限りのごちそうをふるまいます。
直道は長男の直人と次男の直治に「お母さんを頼んだよ」と言い、出征していきました。花江も精一杯の笑顔で送り出し、熱く抱擁する辛いシーンが描かれました。
どこの家庭にも一番辛く悲しい昭和戦時中のシーンです。
⇒上川周作(キャスト)が2024年前期朝ドラ「虎に翼」で演じる「猪爪直道」とは。
アバン後。
寅子は久保田と中山(弁護士を辞めました)の思いも自分が引き継ぐ覚悟で仕事に打ち込みます。しかし、高等試験を目指すよねや職場の人々に、寅子は妊娠を言い出せずにいました。
また日比谷公園でいつものようによねと轟とでお昼休みの弁当を食している時、轟も召集令状が届き、出征していくようです。
よねは最後に「死ぬなよ!」と轟に声をかけます。小生は轟が生きて帰ってきてよねさんと一緒になることを切に願っています。
⇒土居志央梨(キャスト)が朝ドラ「虎に翼」で演じるは“山田よね”そのモデルは。
学生時代の友が去っていきます。寅子の前から法曹の世界で活躍する友がいなくなってしまいます。
寅子倒れる。
さて、穂高教授から明律大学での講演を依頼される寅子です。公演前に桂場裁判官と穂高教授に廊下で会いました。
桂場になんか厳しい顔をしていると指摘されます。その瞬間、寅子の額には汗が…寅子はその場になんと倒れてしまいます。
穂高教授が寅子を説得するが…
寅子が目が覚めるとそこは病院の一室でした。大学での講演は穂高と桂場が代行したようです。穂高は先生の診察では貧血だと言ってましたね。
寅子は妊娠したことを穂高教授に話します。当然彼も喜びます。妊娠を知った穂高は仕事を辞めるように促しました。
しかし、寅子はいつもと違う話し方で反論します。女性弁護士を志す女性がいなくなることが心配なのか?それとも、女性弁護士は自分一人しかいないプレッシャーなのでしょうか。
寅子は病院の一室から逃げ出すように扉を開けますが、そこに桂場が立っていました。当然寅子の妊娠を知ることになりますよね。
⇒伊藤沙莉(キャスト)が2024年前期朝ドラ「虎に翼」で演じる猪爪寅子とは。
雲野事務所に穂高教授が…
ある日、寅子とよねが昼食から戻ると、事務所に穂高教授がいました。彼は寅子の妊娠を雲野先生に報告していたのです。
⇒小林薫(キャスト)が朝ドラ「虎に翼」で演じるは“穂高重視”そのモデルは。
第39話:5月23日(木)
講演会で倒れてしまった寅子の様子を雲野は穂高から聞きました。妊娠していることも雲野は知り、今は子育てに専念する時だと寅子を諭します。
よねはその場を去る。
よねも寅子が妊娠していることを初めて聞きました。ただ、妊娠したから職場を去ることに納得していなかったのではないか?と思います。
寅子はよねが働くカフェーを訪ねます。
よねが働くカフェーも営業ができず、軍歌のレコードをかけて細々と続けていました。妊娠を黙っていたことをわびる寅子に、
よねは、「おまえには男に守ってもらう、そっちの道がお似合いだ……こっちの道には二度と戻ってくんな」と背中を向けるのです。
よねは寅子が妊娠を知らせてくれないことに腹を立てたのだと思います。それもありますが、もっと腹を立てたのは妊娠したら職場から去る事の事実だったのではないかと思います。
いろいろなことが重なり、寅子は雲野法律事務所に辞表を提出しました。
寅子の日常。
寅子のお腹もだいぶ目立つようになっていました。寅子が歩んできた「地獄の終着地」は雲野事務所でした。そして、猪爪家で花江と過ごす「平穏な生活」は地獄ではありません。
大きくなった寅子のお腹に優三さんが話しかけるシーンは幸せの一瞬ですね。
猪爪家の引っ越し。
寅子は無事出産し女の子を授かりました。名前は優三の「優」と未来「未」で優未(ゆみ)となずけました。
ある日、猪爪家は軍の立ち退き命令により、登戸に引っ越しをすることになりました。空襲に備えて道路の拡張工事をするそうです。
そして…。
登戸の河川岸で優未をおんぶしていると優三がお客さんが来たと寅子を迎えにきました。
そのお客とは?
第40話:5月24日(金)
寅子を訪ねてきたのは後輩の小泉でした。女子部が閉鎖されることになったことを知らせてくれました。
今年は高等試験も行われないため、寅子たち女性法曹の道は途絶えてしまうことになります。
戦局が厳しくなる中、寅子は優三と娘・優未と戦争を乗り越えることを最優先にしようと心に決めます。
これでいいのだと思っていると、とうとう優三の元にも召集令状が届きました。
河川敷での二人。
召集令状が来たことで直言は優三に「何か今できることはないか」と優三に問いかけます。すると優三は「二人で出かけたい」と願います。
この家族一緒のシーンから涙でした。なんかこみあげてきました。寅子の表情が明らかに違うのです。
優三がお弁当を広げると寅子は急に謝るのです。
「私のワガママで、私なんかと結婚させてしまって。普通の結婚生活を送らせてあげられなくて。あと高等試験を諦めないで続けてくださいって、ちゃんと説得しなくてごめんなさい!あと…」
と、ただただ謝るのです。すると優三は…「はて、」
「…トラちゃんが僕にできことは謝る事じゃないよ。トラちゃんにできるのはトラちゃんの好きに生きることです」
「また弁護士をしても、別の仕事しても、お母さんのままでも、心から人生をやりきってくれればいいと…」と言い、優三は微笑みます。
優三の出征。
出征前の夜、寅子は優三に渡す「虎のお守り」を手作りしています。そして出征の朝、優三は優未の頬に顔をつけて別れを惜しんでいました。
この親子のシーンで号泣です。
優三は寅子が作ってくれた五黄の寅のお守りを手に出征していきました。
8週を視聴しての想い。
特に、登戸に猪爪家が移り、優三に召集令状が届くシーンなんですが…。戦争を知らない私たちはドラマでこの時代を生きてきた人々の日常を知ります。
召集令状が届くと皆揃って「おめでとうございます」と言い、心では悲しくても表面は嬉しさを繕っています。
誰もが戦地に赴けば「死」と隣り合わせであり、死ぬかもしれない、今生の別れになるかもしれないと思っているはずです。
でも、国民は国の命に逆らうことはできません。令和の時代においては「召集令状」が届くことはあり得ませんが、構図は変わっていないのではないのか?
だから戦争を起こしてはいけないのです。
国は間違えが分かっていても決めたことは必ず実行する例として、「マイナンバーカード」の保険証が良い例です。
いろいろ問題があってもです。そんなことまで考えてしまう第8週の「虎に翼」でした。
「虎に翼」のあらすじのまとめ一覧はこちら。
⇒2024年前期朝ドラ「虎に翼」のあらすじ(ネタバレ)1週から最終週まで一覧。
「虎に翼」第8週「女冥利に尽きる?」の感想。
第8週で脚本家の吉田さんが描きたかったのは39話だと思います。戦前の昭和でも女性が職場で働くことは少なからずあったと思います。
しかし、雲野先生がおっしゃっていたように女性が働くことは当時の空気感として結婚したら退職することが当然、いや必然だったのでしょう。
まして、妊娠したら(子供の成長も含めて)仕事どころではありません。
先に弁護士を辞めた「久保田」も子育てと仕事の両立に関して社会は認知していなかったのも事実でしょう。
現代社会では育児休暇制度が少しは浸透してきてはいますが、中小企業においては100%でないと思います。
女性の幸せとは何なのでしょうか? 「女冥利に尽きる」という言葉の正解はないとは思いますが、優三が40話でトラちゃんに話ししていましたね。
それが解答だと思います。
そして、社会として「子供」は社会が育てると言う意識を持つことが重要なのではと改めて思います。
子育て支援と言う名だけの制度ではなく、国が子を育てる制度作りをしなければ少子化をストップさせることはできないでしょう。
視聴者の感想。
引用:ヤッフーニュース
妊娠や出産と労働の現場は常に現代にまで問いかけられる問題なのですが、このドラマはそういう鋭い問題提起の姿勢を緩めないですね。
「地獄」から撤退した主人公は穏やかな日々かも知れないが、自分自身これでいいのかと自問自答し続けていたのではないでしょうか。
あえて出産シーンを省いたのもそういう幸せなシーンを描きすぎることで問題が見えにくくなるのを避けたのかも知れません。
賛否があるとは思いますが、自分は斬新で良かったと思います。
今後さらに厳しい事態に主人公は直面すると思います。そんな時、やはりよねさんが強い味方になるはずだと思うのですが。
まとめ。
第8週の寅子は非情に複雑な気持ちで暮らしたと思います。裁判に勝訴しましたが、依頼人の女性からは「女性はしたたかに生きなければ…」と言われ、
寅子は胸に手を当てて自身を振り返ったと思います。それは恋愛感情を持って優三さんと結婚したのではない。
ある意味戦略結婚でした。社会的地位を得るために「既婚」と言う既成事実を得るために…。
ただ、結婚相手が寅子を前々から慕っていたことで、新婚生活はとても幸せで優三さんにとってはトラちゃんの為になるならと思って結婚したのでしょう。
そんな一途な優三さんと毎日接し寅子は幸せだったと思います。しかし社会は結婚し子が授かれば職場から去ることが常識でした。
そんな常識をよねは嫌っていたのでしょう。よねはいつも自分の信念を曲げずに生きています。
さて、次週の「虎に翼」は第9週「男は度胸、女は愛嬌?」です。増々激化する時代になります。寅子はそして出征した優三は帰還できるのでしょうか?