2024年前期朝ドラ「虎に翼」第26週(最終週)「虎に翼」のあらすじ(ネタバレ)と感想をお届けします。
今週は、最終週となりました。寅子がお世話になった方々が集まり昔のことを思い出し、懐かしむのでしょう。
寅子が戦前から戦後に感じた世の中への「はてッ」は令和の現代社会にもはびこっています。
不平等、不条理は現代社会でもあるのです。25週でよねが航一さんに話したことを思い出し生きていきたいですね。
半年間ありがとうございました。
「虎に翼」第26週(最終週)「虎に翼」のあらすじ。
ついに「虎に翼」最終週となりました。
寅子は、少年法改正の問題とともに、20年前の新潟での大きな後悔と向き合うことになりました。
昔一歩踏み出して対処出来ず、救いきれなかった少女の娘が、家裁送致されてきた折には、体を張って彼女を諭す寅子がいました。
そして、事件を起こした未成年の可能性を信じ、以前より温かいまなざしで少年事件と向き合う日々を送っています。
そんな中、最高裁では、裁判長の桂場等一郎による、尊属殺の重罰規定が憲法違反か否かを問う、歴史的裁判が結審します。
美位子を弁護するよねと轟は、いよいよ最高裁の大法廷に立つことになりました。
そして、寅子は退官を迎えた桂場のあいさつをニュースで見守ります。自身に残された裁判官としての時間も少なくなるなか、少年法改正の議論はいまだに続くのです。
モデル(実存) | 寅に翼の設定 | 寅に翼のキャスト |
三淵嘉子 | 猪爪寅子 | 伊藤沙里(役:猪爪寅子) |
猪爪花江 | 森田望智(役:花江) | |
星航一 | 岡田将生(役:星航一) | |
語り(ナレーター) | 尾野真千子 | |
主題歌 | 米津玄師「さよーならまたいつか!」 |
伊藤沙里が演じる猪爪寅子のモデルは三淵嘉子さん。
⇒虎に翼のヒロイン「猪爪寅子」のモデルは戦後初の女性弁護士・裁判官「三淵嘉子」
「虎に翼」第26週(最終週)「虎に翼」のネタバレ。
週タイトル | 虎に翼 |
放送日 | 2024年9月23日(月)~9月27日(金) |
放送 | 午前8時~8時15分 |
再放送 | 午後0時45分~1時 |
※詳細は視聴後に掲載します。
ネタバレ第126話:9月23日(月)最高裁判所のよね。
寅子の名前を知る少女の祖母・佐江子が寅子を訪ねてきました。佐江子は孫を助けてほしいと寅子にすがります。
そんなある日、朋一は法律の世界から離れることを航一と寅子に報告しに星家にやってきました。
最高裁判所。尊属殺。
一方、よねと轟は大法廷での弁論に向けて練習を開始します。そして…
昭和47(1972年)年5月、最高裁大法廷が開廷しました。最終週の最大な山場で、山田よねの信念が描かれました。
最高裁判所で居並ぶ最高裁判事たち。その前に立ったよねは、語気強く、単刀直入に尊属殺の重罰規定が憲法違反だと断言します。
そして…
「昭和25年に言い渡された刑法第二百条の最高裁合憲判決。その基本的な理由となるのは『人類普遍の道徳原理』
なんですが、よね『はて?』」と切り出します。人類普遍の道徳原理とは?よねは裁判官に向かって問います。
この事件で道徳の原理を一番踏みにじったのは、実の娘に日常的な暴力と強姦を重ね、子を産ませて結婚を阻止した父親であり、そんな畜生を「尊属」として保護しなければならないのだとしたら、この社会と自分たちも畜生以下のクソだ
と訴えます。
そして、今裁判の被告人による父親の殺害は、正当防衛または過剰防衛にあたると訴えました。
そしてよねは続けます。
「もし今もなお、尊属殺の重罰規定が憲法第十四条に違反しないものとするならば…無力な憲法を、無力な司法を、無力なこの社会を嘆かざるをえない! 著しく正義に反した原判決は破棄されるべきです」
と結ぶのです。
この最高裁の判決は…?
ネタバレ第127話:9月24日(火)美雪の試験観察。
寅子は自分が審判を担当した少年たちが暮らしている施設にたびたび差し入れを届けていました。
第127話は新潟時代で寅子が寄り添えなかった件での反省が描かれかなり長い尺で放送されました。
美雪の試験観察。
寅子は新潟時代に知り合った美佐江の娘・美雪と家裁で対面します。美雪は友達に売春させ、かつ金品を窃盗させたことを認めました。
その後、寅子に質問を求めます。「どうして人を殺しちゃいけないのか」と…それは20年前の新潟で美佐江が寅子にしたのと全く同じ質問でした。
寅子は昨日もこの件で苦しんでいました。美佐江を助けることができなかったのは一瞬でも「怖い」と思ったからでしょう。
そのことを長い間、考えてきました。そして自分なりの考えを説いたのです。
理由がわからないからやっていいのではなく、わからないからこそやらない、奪う側にならない努力をすべきだ。
と美雪に言い聞かせました。
それを聞いた美雪は飛び出しナイフを取り出して、自分も母も異質で特別で手に負えない存在だと言いながら寅子に迫ります。
これに対し寅子は「全く逆!」と否定しました。
美佐江を「恐ろしい存在」と思ったことが過ちだったと強調し、
もっと話をすべきだった。彼女が分からないなら黙って寄り添うべきだった。
と謝罪しました。
そして、
もうこんなこと繰り返したくない。あなたのことは諦めたくないの。あなたはお母さんをまねしなくていい。手帳に残された言葉の意味や、お母さんを庇う理由を見出そうとして傷を負わなくていい。お母さんのこと嫌いでも好きでもいい。
と寄り添います。
すると美雪は「つまらない…。そんなのありきたり! そんな私じゃダメなの」と怒りをにじませます。
寅子は「どんなあなたでも、私はなんだっていい!」と声を荒らげ、何度でも話しましょうと続けました。
寅子は美雪を試験観察とし、しばらく民間の施設で生活させることにしました。
それから半年後。
美雪は半年間、問題を起こさずに施設で生活していました。
再び寅子と面会した美雪は寅子に施設に残りたいと伝えます。理由は心配ごとがなくなった祖母の佐江子が安心して生活ができるからだと言います。
しかし寅子が本音を問うと「おばあちゃんと一緒にいたいです」と、泣きながら佐江子と抱き合うのです。
寅子はその姿から不処分を決めました。
調査官の音羽に次世代の家裁を任せる。
美雪の件で、調査官の音羽と寅子はそれぞれ考え方の違いはあるものの、お互いのやり方について率直に話せる間柄になっていました。
個人の努力で解決するのではなく家裁として組織で少年少女を救うことを、愛の手を差し伸べることを確認するのです。
そして、明日は最高裁の判決が出されます。
ネタバレ第128話:9月25日(水)最高裁の判決。
最高裁大法廷では、いよいよ美位子の事件の判決が出されようとしていました。寅子は早朝、よねと轟の事務所を訪れます。
最高裁の判決。
裁判長を務める桂場等一郎が、原判決破棄の判決を言い渡しました。昭和25年の合憲判決から23年を経て、歴史が塗り替わった瞬間です。
最高裁で尊属殺人の罪に問われている斧ヶ岳美位子の判決は…
「原判決を破棄する。被告人を懲役2年6月に処する。この裁判確定の日から3年間右刑の執行を猶予する。
尊属殺に関する刑法200条は普通殺に関する刑法199条の法定刑に比べ著しく差別的であり、憲法14条1項に違反して無効である。
この見解に反する従来の判例はこれを変更する」
と最高裁長官の桂場等一郎は言い渡しました。
その瞬間、轟はよねの肩に手をかけ、よねは目を潤ませ涙があふれていました。
桂場、よね、轟らの恩師で明律大教授だった穂高重親が尊属殺を「違憲だ」と訴えてから23年が経過した今、歴史が塗り替えられた瞬間です。
その翌月、桂場は定年を迎えて長官を退任し、裁判官人生に幕を下ろしたのです。
少年法改正の議論。
一方で、少年法改正を議論する法制審議会少年法部会は結論が出ないまま平行線でしたが、寅子は久藤らと「愛」について語り合います。
ネタバレ第129話:9月26日(木)寅子の仲間全員集合。
優未は寅子にやりたいこと、好きなことがたくさんあると話します。
優未の告白。
寅子は戦前の優三の遺影に向かっている優未が戻ってきました。優未がまだ小さい頃一度ありましたね。
優未は、学者の道を諦めた後も、やりたいことがたくさんあると寅子に笑顔で話すのです。
自分の人生は最高で、最高に育ててもらったと思っていると続け、心配はいらないよと話すのです。
寅子は泣きながら優未を抱きしめ、再度送り出しました。
その後ろ姿には、優三の幽霊が現れ「トラちゃん、約束守ってくれてありがとうね」と声をかけていました。
家族団らんの猪爪家。
寅子は横浜家裁の所長就任の報告を花江に話すため早退し猪爪家に向かいました。2人は亡き母、はるの言葉を思い出しながら昔を懐かしんでいます。
花江の次男、直治もアメリカから帰ってきています。猪爪家3世代の家族が勢ぞろいし、久しぶりににぎやかな食卓となりとても楽しそうです。
女子部のなつかしい面々が全員集合。
寅子の昇進を祝うために、明律大女子部のなつかしい面々も「笹竹」に集まっています。梅子は居眠りをしていました。
そこに、常連の桂場が来店します。
寅子は桂場に近寄り、若いころから話し合ってきた「法とは何か」という定義について、現時点での考えを述べました。
人が人らしくあるために尊厳や権利を運ぶ船。
社会という激流に飲み込まれないための船。
船の使い方は乗り手次第。
人らしさを失い沈むことも、誰かを沈めることも、間違うこともある。
人生という船旅を快適に幸せに終えるために、乗り手の私たちは、船を改造したり、修繕したりしながら進む。
とたとえながら、
「生い立ちや信念や格好、男か女かそれ以外か、すべての人が快適でいられる船にするよう法を司る者として不断の努力を続けます」と決意を語りました。
すると桂場は「私は今でも、ご婦人が法律を学ぶことも職にすることも反対だ」と返してエンディング。
桂場の突然発した言葉の意味は明日答えてくれるのでしょうか?
ネタバレ第130話:9月27日(金)
「虎に翼」のエピローグは寅子の関係者が勢ぞろいの「8時だよ全員集合」でした。
時代は平成時代となり、現在の竹むらの映像も流れ常にこの場所が寅子たちの憩いの場であったことが伺われます。
おしることあんみつがとてもおいしいので東京神田に来た方はぜひご賞味下さい。
さて、130話での花江はひ孫に囲まれ平穏に暮らす毎日です。航一は老人ホームで過ごすようです。
寅子は既に亡くなり平成時代の星家で生活する優未の生活が描かれ見事に寅子の精神を受け継いでいました。
桂場は寅子との「法律とは何か」についての解答を話してくれましたね。
遂に「虎に翼」が終わりました。半年間楽しみ、泣き、驚きの連続でしたが自分の人生を振り返る機会をも作ってくれました。
ありがとうございます。
「虎に翼」のあらすじのまとめ一覧はこちら。
⇒2024年前期朝ドラ「虎に翼」のあらすじ(ネタバレ)1週から最終週まで一覧。
「虎に翼」第26週(最終週)「虎に翼」の感想。
あっという間の半年間でした。お茶の水は私の息子が中学時代に過ごした街ですので非常に思い出多き場所です。
特に神田川にかかる橋から始まる第1週を観て涙が溢れたのを今でも覚えています。終戦直後の橋の下で過ごす人々も戦前は楽しく人生を過ごしていたはずの日本人です。
寅子は法律とは?の疑問を令和に生きる日本人全員に投げかけたと思います。今でも不条理なことは沢山あります。
それでも生きていかねばなりませんね。決して組織に絶望した自らの命を粗末にしてはなりません。
視聴者の感想。
まとめ。
次週は朝ドラ新番組「おむすび」です。時代は平成ですので、虎に翼130話が平成で終わるのはおむすびへのバトンタッチですね。
さて、令和になった今でも寅子のはてッはあらゆる場面で感じることがあります。特に政治の世界では一般庶民の感覚から乖離した感覚があるようです。
おりしも立憲民主党の代表選、自由民主党の総裁選が行われていたので思いが強まりました。
「法の下の平等」裏金事件の国会議員と私たち納税者との違いは何なのでしょう?すべての日本人が「法の下の平等」で生きることができる時代になってほしいと願い虎に翼の視聴を終わります。