チコちゃんに叱られるです。今回は「なんで2月は28日しかないの?」と問いかけ答えを導きだします。
(※2020年は29日まであったね)
さて、あっという間に、2月も終わりました。
それもそのはず、2月は、1年で最もひと月の日数が少ない月だからです。でもその理由をはっきり答えられますか?
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チコちゃんに叱られる、過去の問題。どうやって2月は生まれたの?
詳しく教えてくれるのは、古代西洋史に詳しい東京大学・本村凌二名誉教授です。今回は、少々複雑な「2月の謎」について教授が教えてくれます。
私たちが使っている暦のもとになったのは、約2800年前に建国された古代ローマで使われていた「ロムルス暦」です。
大昔の暦は、農作業のスケジュールを立てるためのものなので、冬はお休みでした。
つまり、今の1月と2月にあたる月は暦上には存在していませんでした。
1年は春の種まきで始まり収穫を終えて何もしない冬の間の2ヶ月は数えず、1年は“10ヶ月”としていたのです。
しかしこれでは、いつが1年の始まりなのか?いまひとつはっきりしないという難点が生れてしまいます。
そこで、2代目のローマ国王ヌマが、冬の空白期間に11番目の月、12番目の月を加え“1年を12ヶ月”とする「ヌマ暦」を作ります。
こうして初めて「2月」が誕生したのです。
2月だけがなぜ28日なった?
では、なぜ2月だけが28日になった?
ヌマ暦では“1年は355日”と定め、月の満ち欠けにかかる約30日を“1ヶ月”として12の月に振り分けることにしました。
ところが、古代ローマでは、偶数は不幸を呼ぶとされていたことから、偶数をさけ、1ヶ月は31日か29日にしたのです。
その結果、余った28日が、この時はまだ1年で最期の月だった2月にしかたなく割り当てられたのです。
いつ2月は2番目の月に?
当時のローマは、国を大きくするため、近隣諸国との戦争に明け暮れていました。
しかし、ローマ人に限らず古代の人々は、冬の間は働くこともなければ、戦もしません。
寒い季節は全く活動しないのが慣例で、戦争を始めるのも春、新年をまってと決まっていたのです。
そこで、時のローマ政府は、敵国が休んでいる時期、つまり冬に戦争を始めれば、有利に戦うことができると考えました。
そして、1年の始まりを、それまで11番目の月だった「1月」に変更し、1月から戦争を始めることにしたのでした。
これに伴い、1年の最後の月だった2月は、自動的に2番目に繰り上がりました。
2月はなぜ28日のまま?
“1年を355日”としていると、やがて暦と実際の季節がズレてきます。
そこで、ローマでは22日を1ヶ月とする「うるう月」を2年に1回足して帳尻を合わせていたのですが、度重なる戦争に気を取られ、何度も入れ忘れてしまいます。
結果、紀元前46年のローマでは、暦と実際の季節に90日ものずれが生じてしまいました。
そこで、皇帝ユリウス・カエサルは、このズレを解消するため、1ヶ月が29日の月に日を足し“1年を365日”とする「ユリウス暦」を作ったのです。
まとめ。
しかし、カエサルは、28日しかない2月はには、日を足しませんでした。それはローマ人が慣れ親しんできた、ある“呼び名”を変えないためでした。
それは、カエサルが守った呼び名でした。
2月23日は、守護神テルミヌスの功績をたたえる、ローマ人にとって大切なお祭りの日です。(テルミナリアの日)
そして、当時のローマ人は、月の後半については、“次の月の1日からさかのぼって〇日”という数え方をしていました。
つまり、2月23日の呼び名は「3月1日からさかのぼって7番目の日」ですから、もし2月に日を足してしまったなら、慣れ親しんだこの呼び名を変えなくてはならなかったのです。
それはローマ人にとって混乱してしまうから、2月には日を足さなかったのです。
そうなんです。現在の暦の元を作ったのは「ブルータスおまえもか?」の人だったのです。