「チコちゃんに叱られる」過去の問題でチコちゃんが「段ボールの“段”ってな~に?」って質問していました。
その答えを紹介します。
年度末や新年度などの引っ越しシーズンに欠かせないアイテムとして段ボールがあります。
その段ボールですが、なんで“段”って言うのでしょうか?“段”って何のことでしょうか?片付け上手なあなたなら解りますよね。
「チコちゃんに叱られる」過去の問題。段ボールの“段”ボールってな~に?
詳しく教えてくれたのは、段ボールメーカー(レンゴー株式会社)の広報部長・後藤光行さんです。
後藤さんの会社の創業者であり日本の段ボールの父である井上貞治郎(いのうえ ていじろう、1881~1963年)が段ボールを作りました。
段ボールのルーツは、外国製の包装紙である「なまこ紙」を独自の製造法で国産化し、売り出す時に全く新しい製品である事をアピールするために命名したのが“段ボール”です。
では段ボールの元“なまこ紙”って何?
明治時代、日本では外国製の包装紙を「なまこ紙」と呼んでいました。
それは波型のボール紙の形状が「なまこ」に似ていたことに由来すると考えられています。
「段ボール」の「段」は、井上貞次郎さんが波型のボール紙を「段々」に見えることに由来しています。
では段ボールの“ボール”って何のボール?
段ボールに使われている平らな厚紙は、“板のように厚くて丈夫な紙”という意味で英語では「paperboard」(ペーパーボード)と読んでいました。
日本人はこの「ボード」の発音が「ボール」と聞こえてしまったのです。
そのために日本では、この厚紙を「ボール紙」と呼ぶようになりました。
段ボールの名前の由来は?
波型のボール紙が「段々」に見えて、ペーパーボードのボードがボールに聞こえたから「段ボール」と呼ぶようになったのが、名前の由来です。
井上さんが命名した理由は、段ボールを構成する紙が、“段々”に見えたことと語呂がよかったとの事です。
段ボールは安価で発売。
国産の段ボールは、外国産のなまこ紙に比べて安価でした。
ですからすぐに評判になり、やがて「香水の瓶を入れる箱を作ってほしい」などの依頼が舞い込みました。
そして外国製の箱を見よう見まねで「段ボール」を作成しました。
これがさらに評判を呼び、段ボール箱は全国に普及します。
井上さんの会社は段ボール製造販売日本一の会社に成長します。今では全世界に工場を持つ会社へと成長するのです。
「チコちゃんに叱られる」過去の問題。段ボールの若き井上貞次郎は?
国産段ボールの製造販売で大成功を収めた井上貞次郎さんですが、その前半生は波乱に満ちていました。
しかも井上が段ボールへと進む道を決定づけたのは、実は占い師だったのです。
段ボール井上は紙の事業を占い師から?
兵庫県姫路市の農家に生まれ、小学校卒業後、神戸の商家に奉公に出ますが、長続きせず、その後は住まいと職を転々とします。
さらには満州にまで至る流転の日々の果て、28歳の貞次郎が訪れたのが、占い師のもとでした。
段ボール井上は占い師の助言から?
紙じゃ、紙の仕事は立て板に水じゃ~!と占い師は助言します。
この助言から、貞次郎が目をつけたのが、まだ国産のものがなかった「なまこ紙」でした。
悪戦苦闘の末、ボール紙を七輪の熱であぶりながら波形をつけるという独自の製造方法にたどりつきます。
そして、日本初の良質ななまこ紙=段ボールが誕生します。ここから段ボール長者の道を歩んでいくのです。
まとめ。
段ボールが丈夫な理由は「トラス構造」なんです。このトラス構造は段ボールの名前の由来になった断面がポイントなのです。
断面は三角形が連なるこの形ですね。この形を「トラス構造」と呼びます。外からの衝撃に強くて丈夫です。
そのためこれと同じ構造の建物である東京タワーや陸橋など多くの構造物に使われているのです。
明治の方は西洋からあらゆるヒントを得ながら独自の製法で国産物を生み出していたのですね。